シラバス−朝に思う

 朝一番で、秋学期のシラバス(授業計画)を大学事務室へ送付する。昨夜、送ろうとしたけれど、思いとどまってしまった。夜はつい考えてしまい、もう少し手直ししようか、などとなる・・不思議なもので、朝の空気を吸ったら、かえって少しでも早く送りたくなった。
 シラバスは、学生方に授業の案内をすると同時に、話す方がどのような道すじで学期の間、レクチャーを進めてゆくかを示す地図みたいなもの。はじめてのテーマで授業をするときは、シラバス作りに苦労する。
 テーマは、「わが国の消費者安全法制」(おそらく、こういう名称は、法学の世界にまだ存在しない。今後はどうでしょうか・・??)。シラバスは、大きく二つの部分からなる。私法的側面と公法的側面。法学の世界で、両方をひとつの授業のなかで扱うことは、おそらくほとんどない。少なくとも、聞いたことはない。そういう不思議なテキストも見たことはない。あえて両方をきれいに整えて話をしようとしても、土台無理だからだ。
 こんな地図を書いてしまって大丈夫か(大丈夫ではない、が正解・・)と考え始めると、わからないことだらけできりがない。
 難題だらけのシラバスを、夜ながめると、とっても不安になる。さすがに、夜は反省的になるのだ。朝は、なんでもこれからという気分になる。どういう一日が始まるかわからないから、珈琲一杯でなんでもできそうな気がする。