春の転生−2月のお雛様

昼間、春先の薄い陽射しがさしたり
夜半には小雨がぱらついたり


2月らしいこのごろ


昔からの四季がすっかり変わったように見えても
この時期だけはこのままでいてほしい


毎日のように、人と会い、話し、
楽しかったり、少し気疲れしたり


2月の晩は
思い出したように寂しくなる


姉の誕生日であり、
命日が来るからかもしれません


花をみても
お雛様の早目の飾をみても、
お祝いの和菓子をみても


思う先は姉のことばかり


カレンダーになにも書かなくても
刻まれていて


何をみても、何を聞いても
姉が転生して


いつのまにか隣に姉がいて
ほほえんだり、
話しかけたりしている気がします


梅が咲くこの季節だけは
姉が楽しそうに現世にやってきて


お雛様のお人形みたいにあどけない顔をして
嬉しげに遊んでいる気がします



幼い子どもの頃からの心の習慣なのでしょう



ウンベルト・エーコが亡くなったというニュースに接し
映画「薔薇の名前」を思い出します


思想史的なウィットをキラキラさせて
縦横無尽に展開する面白い映画でした



わたしに想像力は大してありません
でも・・


姉がやってくる季節だけは、


姉を楽しませたくて


一年間のあれこれを沢山話して

可愛い姉と過ごしています


2月は一年の思いをこめて
姉と再会し、甘えているのでしょう♪