春風の晩

 弥生の月は、最後の晩。
 月はみえなかったような。
 うさぎさんはかくれんぼ。

 沁み入るような語りを聞きました。
 45年あまりの来し方を、問わず語り。
 笑ってしまうのに、そのひとが引き戸を引いて出たあとは、・・。
 だれがが引き取って、続きを問わず語り。

 みんなが、優しい。
 人生は、共有されるところでは、いつでも生きている。
 ことばを控える優しさがある。
 優しいとわかっているから、やって来るのでしょうね。
 きっとまた春風の晩に。