空っぽの春

 ようやっと試験までたどりついたあとは、採点、追試云々・・。
 心理学の講師時代には、月末レポート制にしておりましたので、試験ははじめて(論述式ではございますが)。月末レポートは、もともとは、ちいさなリアクション・ペーパーだったものが、「もっと書きたい!」に応えて発展したものでした。
 手探りで教えているわたしの前に座る学生方から、熱気に近いものを感じながら、こちらは知識も理解も見事に不足しておりました。
 彼らの書く月末レポートを読んでは、何を話したらよいのかテーマを探し、自転車操業で準備。文字通り、一緒につくっていたのかもしれません・・・。
 2年半のあいだ、授業は年間通して週3回、一学期の学生数は、のべ600人近く。毎月600通近くのレポートを拝見していたことになります・・よい思い出でございます。
 今回は、法学部の学生相手。出席者は60人前後のクラスでした。心理学講義では、哲学や哲学史の講義を大いに参考にいたしましたが、法学はどこかちがいます。
 たった6条の法律を、つくるまでに20年余り、つくったあと、ほとんど放置されていた15年余りを、どうにかして伝えたかったのだと思います。15年余りが空白であり、空白でなかったことを・・!?
 伝わったのでしょうか?? ・・いまはただ、空っぽの春。