円朝忌
今日は、谷中全生庵に眠る円朝のご命日
全生庵に歩いていけるところに何年か暮らしていた縁で
円朝まつりにでかけたり
禅寺の本堂で初めての生落語をきいたり
新内三味線をきいたり
噺というものが、父方の生業であった坊さんの説法にあんまり似て
馬鹿馬鹿しいほど真面目で真剣で、温かな涙を敬うと知り
びっくりして涙が止まらなくなったものでした
上下の厳しい噺家さん同士が茶目っ気いっぱい思いやる姿にもなんだか涙、、
思えば、家を出て研究室に自転車で通い
遠い国の知らない時代の、ハンス・ケルゼンというプラハ生まれの法学者をあてもなく研究していた頃の夏でした
まちの貼り紙で知った好楽師匠という方の円朝作牡丹灯籠を聴いてみたくて
ほかの予定をキャンセルし、夏の夕暮れサンダルをはいて
出かけたのでした
香が炊かれた本堂で、
時間を気にしない長講噺を聴く安らぎは、
ほかにたとえることができませんでした
いまも折にふれ落語を聴く原点は、
このときの一席にあると思っています
忘れられない一芸、好楽師匠心からありがとうございました
この夏もどうぞお元気でおいでください