ある朝のこと

 大切な先生がそのまた先生を心底尊敬され、わたしは尊敬を習いました。
 ドイツ生まれの先生は、日本に来られて、ドイツ生まれのそのまた先生に出会われた。華々しい学問的な影響を受けられた出会いではなかったことでございましょう。
 先生はそのまた先生を生涯愛されていると感じます。
 生涯変わることのないお優しい瞳を、学ばれた方ですもの。
 
 山あいの渓谷にて、ある夏の早朝。だだっぴろい和室の箒かけをしておりましたら、お優しいお写真をみつけました。いつのまにか朝の掃除の時間を過ぎ、背後に先生の気配。
 「みましたか??」「先生・・・」
 「存じ上げませんけれど、お優しい方にお見受けします・・」「そうですね」
 先生が長いこと日本に留まっておられるのは、日本で生涯を全うされた大先生への憧れが支えとなっているのでございましょう。
 「先生・・」「がんばりましょう。朝は気持ちいいですね!?」


 「早寝早起きが一番です・・いま何時ですか??」「ぼんぼん叱られたら、余計ねむれなくなります!!」「??」