春の川

 電灯を消した部屋。一日のすべてが心のなかを通り過ぎ、静まる時間。思い出したいことがあらわれてくる。
 このあいだはじめて歩いた川べり。道に迷っておりましたのに、川沿いに歩きますと、不思議に安らぎました(方向音痴ですので、やはり迷ってはいたはずでございますが・・)。
 暗くなった川べりの細いみちを歩きますと、深いところでほっと息をするような、いい気持ち。
 川面が広くおだやかで、黙々悠然たる春の川。幾夜でも思い出したい、春の川・・。