まち

 このまちに暮らすのは、二度目です。通算で何年でしょうか? 戻ってまいりましたときに、あたりまえのように、なにも変わりませんでした。暮らす家はちがいますが(前の家は、すぐ近く!)、おなじ駅を使い、おなじところで買い物。
 はじめは研究室生活の一間暮らし。壁ひとつ隔てて、お隣と、もうひとつのお隣・・院生の物置とのこと。たしかに、静かでございました。
 いったん実家に戻り、まちに舞い戻る(ここからは、古い堅固なマンション。こぢんまり)。勤め人暮らしでした。今春離職してこの方、ときどき私立大学講師。
 研究(いわゆる基礎法学分野、法哲学)とはずいぶん遠い分野(消費者安全)で、勤めをしておりました。離職後は、・・「足をつける地がどこにあるやら、さっぱりわかりません・・」「大丈夫、安心しています!」
 いま・・一年中ぽかぽかと陽のあたる部屋で、存分に過ごせる日々。思ってもみないプレゼント。なにかと追われ、朝帰りや休日出勤が続く職場でございました・・ぽかぽかしながら、毎日がうれしい。
 研究室時代から(もっと前から・・?)環境はずいぶん変化いたしましても、ずっと変わらない土台があるような気がいたします。たぶん、10代のころから哲学で育てていただいたこと。
 国境と時代を超え、哲学教育を信じてこられた先生(なにしろ、古代中世、跳んで現代がご専門)と出会い、長い間、信頼してまいりましたことは、宝物でございます。
 入学を決めかねていた朝、お優しい哲学教師に出会った桜舞う日、このまちにひとりはじめて暮らした夏の晩、実務の初日、離職の日、そして、・・??
 忘れられない日が、つもってゆくように思います。幸せ・・!
 さきほどは、帰り道、どこかでお見かけした方にお会いしました・・!? 
 いつか、ホールの苺のショートケーキ、みんなで囲みましょうね! 素敵なケーキを作ってくださるケーキ屋さんもご招待しましょうね。